マン初稿・とりあえず完成?



とりあえず完成。ウルトラマンの初稿フィギュアです。
フィギュアと書いてはいるけど、気分的には半分彫刻。
とりあえず完成、という事にしてみた。サーフェーサーは白の方が後々楽かも
でも一応この色にしたのは、TRIの宇宙人彫刻ソフビ (マン・セブン。ヒューマンは未発売)がこの色だったから。

700円ソフビサイズ。過程は下の方を見てもらえればわかると思いますが、
結局最難関は顔でした。実は今はこの顔とは微妙に違います。
これは・・・いい顔してるけど鼻筋ずれてるし。彫刻なら別にいいのですが。
自分は89〜91年にかけて成田教室にも通ってたわけですが
(当時の話は ここ と ここ 等参照)、
初稿自体は元成田教室の当時知人も大サイズでガレキを作ってた記憶がある。
(92年夏のWFに製作途中版を展示してた)その人は筋肉系+Aマスクで作ってたけど、
僕は結局ダイヤカット顔に700円サイズでこだわったので、ひっちゃかめっちゃか。
目のダイヤカットはなんとか出来たんだけど
バグアイドモンスター+鬼面+石膏面ダイヤカット+この角度って、
本当共存しづらい。紙粘土なので細かい造型は流石にきつい(エポパテなら良かった?)

初稿マンの顔は結構むずかしいです。一番ウルトラマンと違うのは
顔の斜面そのものが微妙に上を向いてる事で、なのに目がたれ目、
別におっさん顔になってもいいんだけど、とにかくデザイン画では頭が大きく、
頭を小さくしないと700円ソフビと並ばない。が、頭を小さくすると顔も小さくなる。
本当に要素の同存しづらい顔です。1週間で10回以上作りなおした。
Aマスクまんまの顔になったり、Cマスクそのものになったり、
魚顔になったり、鳥顔になったり、ゴリラ顔になったり。
神像でもあり、男性像でもあり、で、古典。
で、気づいたのは、「両存させづらい」から没になったんだなぁ、って事で、
もっと言うと「なんだ成田・佐々木両氏のウルトラマンの顔だって
A・B・Cマスク、と作って、順々に進化させてたじゃないか」・・・と。
いままで無数のウルトラマンフィギュアがあったけど、
それは全部作り手にとっては「俺ウルトラマン」なのだろうし。
700円ソフビだって進化するのに40年かかったのだから。
それで、今はこれでいいや、って事に(^^); また気が向いたら作ります。
ここからよく作ったと思いますが、満足感は全然ないです。
肩アーマー?の一番上の列はいらないって気もする。背面俺デザインはすんなり行ったけど。
でも、当初予定通りクリアレジンやキャストで型取るのも大変だよなーっ;。

全然彫刻技術力が二十代の頃から進化してないですが(爆)。
ていうか、自分的には女の子系の方が全然向いてる気がする(;▽;)!

やっぱり、挑戦する顔が一番カッコいいよね。この顔。  (2007/9/25)

材料 : 紙粘土+木粘土
道具 : カッターナイフ、デザインナイフ、つま楊枝(笑)
 


 


「怪獣と美術」展と、自作マン初稿フィギュアその後
(2007/10/05 : ブログより再録)



 そんなわけで本日深夜から ウルトラセブンX が放送開始なわけですが、
 今、JR三鷹駅南口正面のビル5Fの 三鷹市美術ギャラリー にて、
「怪獣と美術〜成田亨の造形美術とその後の怪獣美術〜」展が開催中です。(※既に開催終了しています)
 ウルトラQ、初代ウルトラマン、ウルトラセブンのヒーローや怪獣のデザイン画を含めた展覧会です。
 もう少し早く行こうとは思ってたんですが。ていうか実際行ったのは先週末だったんですが。

 自分は成田氏の美術教室に2年位通ってたわけですが(大体2年位でやめました。それについてはここここ 参照ですが、それはともかく、
 展覧会自体はやめて以来行っていなかったので先生の絵をまとめて見るのは本当に久しぶりでした。単品の絵ならゴジラやさんがイカルスの絵を店内に飾っていたり、・・・今もマンのマスクを飾っているけれども。懐かしかったです。デザイン画やイラストや絵画や彫刻が大挙展示。
 マンやセブンやヒューマンの、「雲一面」をバックにした立像はやっぱりダイナミックでカッコいい。
 やっぱ各ウルトラ怪獣やヒューマンやバンキッドの怪獣宇宙人のデザイン画は見ごたえありです。「翼をもった人間の化石」もありますが・・・どこにあったんだろうか、この作品は・・・今まで・・・
 その他の成田作品にもひたれるし、個人的に大好きな「宇宙人の気配」や、「宇宙人の影」や、四次元系習作シリーズも多かったです。良かった。カネゴンやヒューマンのイラストもあったし。図録には掲載されてませんが、ウルトラマン初稿のデザイン画も展示されてます。
 高山良策氏の造形や絵画、彫刻も魅力あったし(かなぶんおやぶんや電話シリーズを見れたのが良かった。)池谷仙克氏の怪獣デザインや、最新作のシルバー假面のデザイン画、ザビーネ=シルバーやマリアのマスクなんかも展示されてて、それがめっちゃ良かった。大魔神立像2体も良かったねぇ・・・
なわけなので、展覧会としても本当に満足でした。
 図録も2000円とかなり安いので、おすすめです。でもなぁ、表紙怪獣がブランカーなんだよなぁ・・・自分は着ぐるみのブランカーは好きなんだけど、このイラストのは怖いので苦手なんだよなぁ・・・(爆笑;) でも勧める。通販もしてるらしいけど、ミクストメディア系は錯視トリックが使われてるので、実際見ないと全然効果がわからないぞ、と。
なんと言っても・・・90年の個展で展示された「天空人E」が再展示されてた事が自分としては一番嬉しかったです。やっぱカッコいいや、このヒーロー。
 こ・・・これは、僕にフィギュア作れって事か?そうなのか?萌え系に行きたいんだぞ僕は。  それにしても名前があっさりと 「新怪獣」 になってるのはなんで??

 で、写真は展覧会会場のロビーですが・・・一番左の立体は、自分が持ってって写真を撮った、  自作の700円ソフビサイズのマン初稿のフィギュアです。これもまた錯視トリックw
 ちょっと顔を修正して、今ではマスクはこんな感じです(下の写真)。これが最新状況。展覧会のスタッフさんと売店の女性には見せて話したけれど、当日は人が少なかった・・・。90年ごろ、丁度僕の通ってた頃の個展ポスターが販売されてました。残り2,3枚ずつだったのでぎりぎりセーフだった。
 でも結構 題不詳 になってる怪獣彫刻とか多かったね。図録で言う1−60は るせいじん(流星塵) だと思うんだが。あと、1−58の頭は初稿グリーンマンのヘッドだけど、後に天空人Bのヘッドにもなっていたと思う。1−55は・・・鬼彫刻のプレハブにも飾られてました。眺めながら色々作業してたわけね。



 色がサーフェイサーを吹いたままの色なのは80年代TRIの彫刻ソフビにあわせたからだけど・・・なんで精密にしたくなかったかというと、つまり、成田氏の宇宙人彫刻3体というのは、現代人の作った彫刻ではなくて、所謂古代の人々が作った恐竜土偶のような・・・オーパーツに近いものを意識してるんじゃないかと思うんだよね。ブロンズ像っぽいカラーではあるが。つまり岡本太郎氏が縄文土器や土偶の世界を目指したのと似ていると思う。
 時代的に場所的に「あってはならないもの」がここにある、という感覚?それを成田氏自身の創作活動になぞらえたんじゃないかと。その3体があそまで自由活発に正義を語りポーズを取っている、って事に価値がある。確かに腹筋とかも左右一体だったりして人間とは違うしね。
 ウルトラマンの初稿デザインというのは、要はウルトラマンになる過程でそぎ落とされたいらないものが逆に着いてる形態だったりもするのですが、その最たるものが鬼のイメージなのは言うまでもなく、つまり大江山の鬼というのは、成田氏的にはウルトラマンの陰画の部分だったんだろう、ってのは言うまでもない。
 どちらにしてもオーパーツ的荒さを考えるなら、自分の造形物も細かく作る必要はなかったか。前のバージョン位(※このページの下を参照)がよかったか。

 それにしてもオーパーツ的感覚は展示されてる全立体やミクストメディア系に横溢してます。四次元系好きな人には良いですね。
 ・・・ていうか三鷹展では、鬼のレリーフの展示はあったけど、大江山の鬼のコーナーは全く無かったです。なので目録の件はさっぱりわからないよ。足利では展示されるらしい。

 なんで今ごろ紹介するかというと、すでに展示期間後半なので。10/21までだそうです。つまりあと3週間分の土日は見る事ができます。
やめた理由が理由だからなんですが・・・まぁ、いいじゃん?これから紹介した方が意味ありそうだし。
 というわけで特撮ヒーローファンやご家族連れの方是非どうぞ。

 ただ、この展覧会は女の子には向かないかもしれないかなあ。やっぱ結構怪獣って身もふたもなくバイオレンスなのがいるので。家族や子供と一緒じゃないと、ってのはあるかも。
 女の子が凶暴なのが苦手なのは感情としてあると思う。その気分はよくわかる。実は自分もそうなのだ・・・・・・;





 (追:図録の写真の脇にあるのはチケットと販売されてた絵はがき。
 実は絵はがきは10/1に多摩の本局から、郵政民営化記念という事で自分に向けて出したのだが、一方は翌日に届き、もう一方は折れて翌々日に届く・・・という感じだった。郵政民営化の影響はやっぱ郵便物の流通にも現れているようだ。隣の市なのに2日かかるとは・・・(-_-);  (2007_10/5)

 ※ 「ウルトラマン+初稿」でヤフー検索するとこのページが1位になってた!感謝!!・・・って事で、記念にブログから再録しました。
 


怪獣と美術展にて、故成田亨氏や高山良策氏、池谷仙克氏や原口智生氏らの作品が展示されていました(山寺芭蕉記念、三鷹市美術ギャラリー、足利市立美術館、開催終了)

ゴジラやさんに展示されていた、成田亨氏のウルトラマンマスクの彫刻、売れたらしいです。
売れてしまって、社長さんがさびしげだったとのことでした(^^); (2008_6_28)


 


マン初稿・途中経過

一応ここまでできました。成田亨氏デザインのマンの初稿です。
これで一応身体は基本的には完成。これからヨロイ作りや表面処理です。
かなり前から作りたかったのですが・・・まだこれじゃ何がなんだかですね。
nectafulブログの方にも書いたのですが、今年の展覧会の図録に
デザインが比較的大きく載ってたので趣味で作ってます。

一応、バンダイの700円ソフビのサイズ。やっぱり今年のワンフェスで
内山まもる氏の「メロス」のソフビがこのサイズで出たからかもしれないです。
それでもブログの写真よりは少し進行した感じですが、
ここで写真色々撮りたいので、ちょっと一休み状態です
最初はこんな感じで、その内こんな感じ、という風に進行・・・
今全身だとこんな感じ
肩の組み方は、前例あると思うけど、上手くいったと思います。
最初に隣のゾフィーの身長でプラ棒のゲージを作って、
プラ棒を芯に全部ネンドで作って行ってる感じです。
ヨロイも全部粘土になる気配。なんか最初の写真の時に、
変なオリキャラを考え付いたりしながらのんびり作ってます。(画像色々

自分的には一応造型物という事で作ってて、でもフィギュアというよりは、
彫刻の考え方で作ってます。彫刻作品とフィギュアの違いでいうと
誰が見てもフィギュアなんだけど、自分的にはぎりぎり美術の領域に
気分として踏みとどまれるように努力中。また写真UPします。

怪獣のあけぼの」初期ウルトラ怪獣造型作家の高山良策氏のドキュメンタリーです。
成田氏のデザインの事についてもかなり触れられてるので必見です。
ちょっとCM等で重くなったりするけどね。毎週土曜日更新。

 



 
 


マン初稿・途中経過2

成田氏デザインのウルトラマン初稿、700円ソフビサイズです。
前にUPしたのが2005年だからもう2年近く前から気が向いた時だけ、作ってます。
現状こんな感じです。パーツ的にはほぼ全部できてるのに、
なかなか進まない理由は、結局これは、
ガレージキットとかフィギュアとしてではなく(だったら悩まない)
なんとか彫刻として、純粋芸術に近い形で作ろうとしているから。
純粋芸術って・・・要は表現の為想いの記録の為の作品という事であり、
お金にする予定とかさらさらない、って事ですが、
多分、表現の落とし所がまだ決まってないのです。
かなり今はアルカイックに笑った顔なのですが、本当はあんまり笑わせたいわけでもなく、
でもその辺をまだ迷っています。迷い無く「これが芸術!」って言い切れれば、
それで彫刻としては成立なのでしょうが、ご多分に漏れず理想の高さが問題です
(プロポーションは相当に前衛的ですが、リアルのつもり・・・)
角のバランス悪いですが、まだ削ってません。最後です。
(ブールデルは鼻ができないX2と言いながら彫刻を作っていたそうな
 ※もとい。ジャコメッティです。ここではちゃんと書いてたのになぁ;)
右手もできてません。そろそろキャストに変えないと紙粘土で彫るのはキツイかも。


造型は結局紙粘土です。前の粘土を新宿ボークスが扱わなくなったので、
他の粘土をあたったりしたけどことごとく失敗。やっとこ見つけた新しい粘土とあわせても、
まともに削れる紙粘土ってまだ2種だけしか見つかってない?大変です。
(削りカスが粉になる粘土は、もう少し大きい作品ならいいのでしょうが・・・)
腰の部分は茶色ですが、紙粘土じゃないからです。

作っているとこのデザインがウルトラマンの他、後にセブンや各怪獣に
生かされてただろう事もわかります。元は多分、ケムール人ですが、
額の角は鬼の角のようでもあり、月光仮面の月型のバリエーションのようでもあり。
明らかに氏の好きなキャラ「大アマゾンの半魚人」が入っているようでもあります。
全身のよろいは(多分金属色だろう)、魚のようでもありますが、
元のベムラー(レッドマンになる前の名前)は、ガルーダや烏天狗的デザインだったので
鳥の羽のようでもあり魚のうろこのようでもある、という感じみたいで、
だからヘキサパターンも腕や腹部とふとももとは変えてみた。
というか元デザインはヘキサパターンじゃ無いんだが・・・アレンジです(爆;)
プロテクターの肩形状が新作セブンXみたいだけど、2年前から元からだよ。→過去エントリー

ていうか、このマン初稿がセブンの肩と胸のデザインラインの原型である事は言うまでもないし、
頭部は後のレッドキングやジャイロック(突撃!ヒューマン第1話怪獣)だろうけど、
胸とか・・・作ってて気づいたけど、ギガス!!
茶色粘土まで使ってるので余計にギガス。なんともはや

この作品はそんなわけで、現時点ではガレキで売るとかいう予定は何もないです。
乗り気になった時に一気に作るのが正しいのかなぁ・・・ (2007/9月)


 
 



 
 


マン初稿・途中経過2.5

あんまり悪口を言われるので、もちょっと写真UP。
ディテールは殆ど終わってます。
(※背面は全部僕のアレンジ。ていうか多分元々絵がないので・・・) 結局の所、最初にブログ等で書いた通り、自分は彫刻の範疇で作ろうと思ってるんだけど、
彫刻らしくなっているか否かを気にしたからか、やっぱり完全に
フィギュアやガレキの枠内からは外れてしまってる感。
身体のディテールは「彫刻」と見る分には全然過剰なので、
完全に彫刻にするならば、顔の左側のモールドは確かにいらないよね。
角もこれ以上細くすると迫力減るかもしれない。飾りにならないようにするには
ある程度大きさは必要かもしれない。
・・・逆に、表面処理や左右対称性はガレキやフィギュアと考えるなら全然足らない。
成田氏のデザインをアレンジしすぎた感もあるし。
ただ写真で見るより現物の方が、(700円ソフビサイズとは思えない位)迫力はあり、
その迫力はかなりすごいので、品位を壊さないようにするのが大変。
肩のモールドを元絵通りプレーンに等間隔で行儀良く並べていたらここまで悩まなかったんだけど。
右手は作り直して、過去の成田氏の宇宙人の立像風にしてみた。
でもキャストに置き換えたらそこから彫っていく予定。

プロポーションは最初からこの雰囲気を狙ってました。
筋肉質にしたのは意識的ですが、それ以前に・・・最初のベムラーは鳥人的だったので、
このマン初稿でも、鳥と人間の中間の胴体にしています。
宇宙人だし、人間のプロポーションだけが正義ってのは違うと思う。
「そんなのはおまえのデザインでやれよ!」って言われるかもしれないけど、
(オリジナルデザインはいくらでも書けるんだけどさぁ・・・)
どうせやるなら何でもかんでもやりたがるのは、僕の癖です。 (2007/9/17)

(追:元デザイン画は確かにカッコいいけど、のぞき穴が目の上に来るし
ヘルメットに顔がぶらさがっている固定法のようなので、顔がすごく大きいのです。
NGになる理由はそれなりあったんだろう。補正しすぎた感はあるが。
現在、顔を設定どおりダイヤカットにするかを悩み中。)
 



 


 
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