◎「アンドロイドAロボット・磁力ハンマー(仮)」(76年初旬・タカラ)




 タカラの変身サイボーグシリーズの後期アイテム「アンドロイドAロボット」です。当時品。これもヤフオク入手です。このページの「3」で紹介した、クリア超人と同時に発売された品です。
 入手した超人がクリアだった段階で、ロボットにも限定かそれに近いものがある事は確信していたんですが、ロボットに全身クリアって似合わない気もする。ずっと疑問だったのですが、そんな時ヤフーに出品されてたのがこのアイテムです。白塗りジャガーの出品者の人から同時に手に入れたアイテムなのですが、実はその人はかなりメッキのはげた超人も同時に出品していて、その超人のヘッド成型色は白。つまり「3」の超人と同時期に買われたらしいアイテムの出品だったわけです。見覚えあるので買ってみました。
 両腕ともマグナムショットが装備されていて、片腕が赤と青に塗られています。出品されてた時はフラットカラーかと思ったのですが、実はクリアカラーでした。

 
 このアイテムの場合玩具店のショーウインドーの中にあった時には、光線の具合でもっと褐色気味に見えたんですよね。子供の頃の自分はこれを見て「鍛冶屋さんか?」とか思った事を覚えてます。両手は多分この形で合ってると思います。Aロボットの腕がトンカチになっているのは、多分74年に開始されたロボコンが人気あったので、ロボトンのような感じでだと思います。
 一応通常のロボットは右手がマグナムショット、左手がスペクトルビームなのですが、このロボットはなんていうか、最小努力で最も目立つ事を考えたアイテムっぽい。ロボットは梱包時に左手を外した状態で箱に入ってるので、その腕がこの色なら嫌でも目立つ、というわけです。クリアカラーな所が、アルビノ超人に通じてるわけですね。高熱を発しているようでもあり、迫力あります。

 で、何で「赤と青なのか?」ですが、仮説としては、当時はマグネモの鋼鉄ジーグが流行ってたり、タイタンの発売前後なので、その磁力玩具ブームに関連させた可能性があります。要は、この赤と青は、棒磁石やU字磁石に塗られた赤と青の表現なんじゃないか?って事ですね。自分が子供の頃は、磁石と言えば、科学実験に使用される棒磁石かU字磁石がまずイメージとしてあったわけで、フェライト磁石はまだまだメジャーではありませんでした(フェライトの方が磁力は強いのに)。で、アンドロイドAのリーフレットを見てみると、確かに右手=マグナムショットの設定に「マグネコイル」の設定があるんだよね。
 つまりこのアイテムは、マグナムショットのパワーがフルパワーになった状態を表現してるようです。

 やっぱりこれが「3」のアルビノ超人と同時に小売店入荷されてたロボットと言っていいと思います。ていうわけで、まさに29年ぶりの揃い踏み。(いや、80年代のサイボーグオタクの方々には持ってる人も多いんだろうけど・・・)実は写真のロボットは前から持ってた自分のもので、購入したロボットはかなり痛んでいたので、左手だけ外してつけてるだけです。
 で、自分が今疑問に思っているのは、ノーマルAに限定品はあったのか?って事なんですが・・・もし存在するとしても、入手非常に難しいかもしれません。

 北浦和商店街のおもちゃ屋さんでは日中ショーケースに飾ってあったので、今一歩腕のコンセプトが感じづらかったです。当時小学生だった自分は、この赤く焼かれたような腕のトンカチを見て、「鉄は熱い内に叩けよ?」という開発スタッフのメッセージなんじゃないか?とか思った事を思い出しました。そんな記憶もあります。




 ◎「アンドロイドA・ロボット」- Android mark-A - (75年初旬・タカラ)

 ノーマルのロボットです。(これもみんな知ってるだろうから解説いらないだろうか?)
 アンドロイドAシリーズはノーマルA・超人・ロボットと計3種発売されましたが、その最後に販売されたのがこのロボットです。発売は同時では無く、やはり月遅れで順次という感じだったようです。それでもロボットの販売の方が宇宙人よりは早い感じでした。
 写真は1体まるごと買ったものではなくて、M・H・Fセットを順番に買ってこの形にしたものです。青色ミサイルがどっかに行ってしまってるので(爆)、見つけたら写真さしかえる予定です。

 ロボットはAの変換形態で、「脅威のメガトンパワー」と言われる程の破壊力を持つ戦闘形態です。かなり重めの印象ですが、実は設定的には超人と速力はかわらないのが面白いです。  詳細な能力設定を見ながら、カスタマイズ遊びを楽しめるのですが、ターゲット年齢層が高いので、小学校低学年には難しい玩具です。
 フィギュアは以外に可動性があり、様々なポーズが取れます。腕を内側に向ける事も可能です(超人にはできない)が、腰を開く動作ができません。両腕のジョイントは1号等と同じなので、武器は1号に装着する事もできます(ちょっとゆるいですが)。
 腕の武器はデザイン的に少年武器に順じたギミックが搭載される予定だった可能性もあります。ただ、価格等の理由でこれらは省略されたように見えるのが残念な所です。

 ロボットのデザインには、アシモフの「わたしはロボット」に登場する子守りロボット「ロビー」のような、当時でもレトロ的なイメージが反映されていますが、最も近いのは70年代当時早稲田の理工学部で開発されていた、ワボット(WABOT)という2足歩行型ロボットです。いわば今一斉を風靡しているアシモ等の大先輩にあたるロボットですが、上半身の無い腰から下だけのロボットであるにも関わらず、その背丈は2m近くの大きさというもので、歩きもゆっくりゆっくりしたものでした。70年代当時はNTV系の「知られざる世界」等でよくこのワボットの特集がされていました。Aロボットの下半身はこのワボットによく似ています。

 タミヤプラモのBOXアート、イマイのサンダーバードやメカニックロボコン等の箱絵で有名な、故・小松崎茂氏が「アンドロイドA出撃せよ」の絵物語コミックを当時のテレビマガジン(75年5月号)で書いています。その際にはこのロボットが主役では身長数十Mの巨大ロボットとして描かれています。宇宙人は登場しますが、サイボーグシリーズとのつながりは全くないです。氏の自由な発想がしのばれると同時に、何か片貝兄弟以前の指令マシンエピソード的巨大化感も感じさせていい感じです。この物語でのロボットの巨大感も、ワボットの巨大感に通じるものがあります。

 AロボットはUK版アンドロイドの「アニヒレイターセット」にもなっていますが、パーツは2セットに分割されてしまっているので、UKでロボットを再現しようと思うと、今では本体含めて6万円位かかってしまうのが恐いです。セットの一つは日本で言うロボットのエンジン部を頭部に使用していて、フォルムが更にユニークです(まだまだ自分は無理っぽいです)








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