変身サイボーグ・アイスシルバー1号(75年・タカラ)

変身サイボーグ・アイスシルバー1号(75年・タカラ)




 75年末、「1号●」が発売された当時の「サイボーグ研究所を救え!」(もしくは「同1号を救え」)アイデアキャンペーンの景品です。オークション入手品。ネオノーチラスで眠り続ける1号を再現した75年当時のタカラ工場のカスタム物で「冷凍睡眠1号」や「コールドスリープ1号」とも呼ばれました。
 正式な名称は当時ポスターの呼称通り「アイスシルバー1号」。キャンペーンは「激化する宇宙人・アクロイヤー連合軍の攻撃に対抗する為の新しいフォームや武器等を考えてくれ」というもので、小売店店頭の縦長ポスターを見た子供がハガキで応募する形式でした。当時は既にミクロマンが圧倒的な人気で、サイボーグは終息の方向に向かっており、その終幕まぎわの企画と言う感じでした。
 自分も子供の頃そのポスターには気付いていたんですが実際には送りませんでした。当選者数は全国限定1名で、小2の自分には完全な幻。当るわけ無いです普通・・・

 実は80年代か90年代の始め頃、某模型雑誌(多分有名誌)で一度発表されてます。その時にはタカラの当時の工場職員の手持ち分が宇宙人と共に写真掲載されました。「氏が趣味で作った1号で、プレゼントもされた」と記入されてた筈です。
 ベースになっているのは1号ブルー。その表面にシルバーのスプレーを吹いていて、胸部等にもゴールドのグリッター紛が定着されている。宇宙人と並べたかったと製作者の方が語ってたそうです(実際胸に使用されているのはJの目のグリッターと同じです)。更に部分的にセメントだかコンクリの粉を接着してからスプレーを吹く事で粒氷感を出している(記事)。「タカラ工場の職員が作った一個の芸術品」とまで。
 言ってみれば公式のカスタムサイボーグなわけですが・・・。ちなみに2等賞が●●●ワルダー。そっちは全国10体限定ですが(共に76年発送)、そっちの方が確認難しいかもしれません。理由はまぁ色々あるのですが。
 アイスシルバーという名称は、シルバーシルバー等の名称が既にあったので付けられたのだと思います。実際「グラスゴールド」という名称もあったようだし(閑話休題)

 実は写真をオークションで見る以前から「大阪や愛知のイベントでこれを「グレーだ」と主張して数万の値をつけているディーラーがいた」とは聞いてました。当然誰も買わず・・・普通のファンにはこれがグレーで無いのは一目瞭然で、自分もその話を知人に電話で聞かされた時には気付きませんでした。実はその地方では数年前から「あんなカスタムを本物だと言い張って・・・」などと言われていた素体として有名だったようです。オークション出品時も、出品者自身がカスタムと聞かされたからか、表書きには「サイボーグ1号」と書かれているのみ、1000円か2000円のスタートだったので殆ど誰も気付かなかったらしいです。画像を見て自分は思い出せたわけですが(また、覚えていたのは自分一人だったようです)、それでもオークションで20分近い延長の時には死ぬんじゃないかと思う位ドキドキしたのを覚えてます。もし自分がこれを入手していなければ「希少な新素体用」のパーツ扱いで分解される事もありうるわけで、そう考えると恐ろしい事この上ないのですが・・・・・


 実はこの1号が雑誌発表された後日談の噂が。当時実際にそのプレゼントをもらった人間(もしくは彼から譲りうけた人間)が「この1号は1個の筈だ、2個存在してもらっては困る」と、特集の記事を書いた人間だか、雑誌掲載分の1号を所有していたタカラの関係者だかに「クレームをつけて」しまったという。その人間もアイスシルバーは入手してて、誌面に載ったアイスシルバーが複製されては困るという・・・。品物を見れば判るがスプレーの濃度の濃い浅いは手仕事による物なので正確性のある物ではなく、詳しい事は判らないのですが。従って「当時の配布分アイスシルバー1号」の所有者の顔を立て(所有者の現物の方のプレミア性を保持する為に)、この1号については今後公に雑誌に出さない(更に偽を作らせない為)という事が決まった・・・という。あくまで噂なんですが・・・

 グレーは当時で言うなら1年も売っていなかった品であり、グレーを知らない当時の後続ファンにはこの1号は新鮮にうつった筈。メッキ銀しか知らないファンにはまさに「アイス」な1号。だが、マニアが増えるに従い、この1号を覚えている者の全体比は減る。結果忘れ去られる事になったようです。

 胸部や下腹のブルー地の露出具合もチラシや記事の写真に酷似。また背面も・・・。
 胸部はなんというか、クリスマスリースっぽいですね。これも70年代当時ポスターを見て思った事ですが、それは年末という時節柄もあったのかもしれません。
 結局この品物については本物を知っている人間にしか作れない部分が他にも多々あり、また背中のキャップにも開けた形跡は無かったです。

 で、それを確認した上で、結局背中のキャップは一度開けて、ネジをゆるめました。首元に新素体ならではのクラックが既に入っていて、これ以上の放置は限界だったので。自分の1号青も首のクラックが購入後数ヶ月で進行し、放射クラック起こしてしまったし。この判断で正しかったと思います。
 近年のアイデア募集にも結構送ってる分、ご褒美だと思う事にしてます。


 万一フェイクだとしてもベースは1号ブルーなわけだし・・・(^^)

 市販分+プレゼント分、つまり一般が手に入れられた素体としては最小個数の物です。
 それにしてもあと何体あるんだろう?同素体がいくつかスタッフさんに渡されたらしいのですが(ジーグトロフィーみたいな個数でなくとも)
 これを手に入れる事はあと多くて1、2人位にしか物理的に無理の筈です。
 他にも幻アイテムは存在するんだけども・・・

 破壊される前に、僕にはそれらを手に入れる事が出来るだろうか?


 
(※ 一応、部分的に追加研究発表。
  この1号の名前は、80年代の某誌の海外製を含む「変身サイボーグ特集」では「アイスシルバー」色のように書かれていたのだが、
  実際の1975年11月のポスターでは「アイスブルー」として書かれていた可能性があります。
  ただ、色名がアイスブルーという事で、別に正式名称がアイスブルーでは無いと思うのですが、(説明は冷凍睡眠時の1号)
  80年代の某誌では「アイスシルバー」色として書かれていたので、自分や他の誌面読者の記憶が上書きされてしまった可能性があります。
  可能性としては、その誌面を作る時に協力したタカラ工場の人(上の写真のような1号も掲載された)が、
  「アイスシルバー色」の1号「アイスブルー色」の1号などを複数作っていたため、
  掲載時に名前が混同されて、80年代に「アイスシルバー」カラーとして、みんなの記憶に上書きされたのかもしれません。
  でも1975年のプレゼント告知では「アイスブルー」と書かれてた可能性がある、って事で、一応。(2020_11/19 20:15))





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