幻影4’
 
 
 
 
 

 
◎宇宙人Z・強化実験体(仮)
75年タカラ(?)


 
 
 フォーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
 幻・影・フォーーーーーーーーーーーーーッ!!

 と、本当はテンション高く始まりたい所なのですが、実はまだ謎な所が多い(本物かどうかも判らない)という事で、またも話半分という事で興味のある方はどうぞ。宇宙人Z(ゾーン)のリペイントカラーです。
 ・・・でも4まで結構時間かかっちゃいましたね。気になってる部分もあるので「4」じゃなくて「4’」だったりするのですが・・・  2002年に2.5で紹介したリペイント版ジャグラと同時に、各店舗に1体ずつ入荷したと思われる品ですが、詳細不明。入荷時期は75年末か76年頭頃だと思います。ヤフオク入手です。

 左は通常版Zとの比較です。一目瞭然、顔と胸が様様なカラーで塗られています。通常版と印象が全然違う。
 所謂旧’顔塗りJ’を2.5のページで紹介した時には、既に旧’顔塗り0(ゼロス)’の当時品は、おもちゃショーのタカラブースにも展示されていたし、タイム*ックスさんに入荷、当時の知人さんも所有している感じだったので、宇宙人Zにも同様の顔塗りバージョンが存在しているのは間違いないと思ってたんですが、どうしても思い出せずにいた感じです。
 ヤフオク出品を見た状態ではあまりにもすごい(色んな意味で)というか「変な」塗装がされてるので、本当にこれが本物なのかどうかという事が判らなかったのですが、見覚えがあるといえばあるような気がしたし、何より「腹の口が塗られている」のには記憶がありました。
 ただ、目の塗りの緑色がどうにも「ペイントマーカー」っぽく見えたんですよね。これは2chで自分の事を叩いてる連中も落札後指摘してましたが、自分も買う前にそれに気づいて、どうしたものかと悩んでました。

 それでも結局落札したのは、過去このHPの所謂幻影ページで紹介したものや、過去確認された顔塗り宇宙人と、塗装発想的に似通っている所が多かったからです。ざっと書くと、

1. 顔面が塗られているが、目のくまの部分が塗り残され、口の中に塗装されている(顔塗り0と同じ)
2.ブレストアイの周りが、サークル状に塗られているのが、で紹介したアイスシルバーに似ている。
3.口が赤く塗装されているのが、3.5で紹介したペイントジャガーと同発想
4.先日逃した(;)顔塗りワルダーや、赤目シルバーシルバーと同様、頭脳部分に塗装されている
5.後頭部右側のひれが溶けていて、成型が初期不良品っぽい。(元返品物の可能性有)

 等々です。頭脳パーツも2.5のジャグラと同じく後期金型だったので、賭けのつもりで購入したのでした。


 
 背面から見るとこんな感じです。頭部頭脳や胸パーツに塗られている緑色は、確かにペイントマーカーっぽく見えます。で、腹部の口を塗っている色は3.5で紹介したジャガーの首を塗っている塗料よりは、少し肌色がまざったような色に見えます。
 で、注意深く見てみると、ヘッドソフビ後頭部のひれの色がかなり濃くなっていたので、透かして見てみました。なんと顔面の水色と頭部ラインに塗られている水色の下が、顔塗り0と同様に濃いクリアブルー(0の場合クリアグリーン)で塗られています。
 つまりこのヘッドは、元々クリアブルーで塗られた0型の顔面の上に、水色で塗られているわけです。つまり、素体自体が例の0やJと同時に店舗に並んだ品というのは間違いないです。
 問題はこの水色が、オリジナルのものなのかどうかって事だったのですが・・・実は下地に塗られている青のライン(頂点部等)は、水色よりもかなりはみ出してしまってるので、つまり最初に0風にきれいに塗り分ける予定がソフビにカラーが染みこんでしまって上手くいかず、結局そのはみ出しを隠すために、再度水色カラーで塗りなおしたんじゃないか、っていうのが自分の見た印象です。
 何故そう思うかと言うと、口の両脇の牙の縁取りが、後で黒で塗られたものじゃなく、下地にペイントされたクリアブルーが「塗り残されているから」です。

 自分の住んでた浦和の商店街のおもちゃ屋さんでは、これかこれに近いアイテムが展示されていて、販売もされてた記憶があります。展示用に配布物が販売されるのは当時の慣習としてはよくありました。(後年の入手者が、自ら展示品にリペイントを施した可能性はあります)
 そのおもちゃ屋さんでは後にミクロマンのハイタッチスタンドキャンペーンがあったり、カプセル売りのメッキマジシャンが販売されたりもしていたので、どうもこれらのアイテムは、ビクトリー計画時の販促物として、キャンペーン参加の特約店に配布された感じです。
 (ただ、配布順は一度では無く、要は1号がカートン入荷した時には特殊な1号が、宇宙人をカートン入荷した所には特殊宇宙人・・・と、カートン入荷アイテムに応じて順次行われたというのが正解のようです。

 過去から書いているように、75年後半は実質的にはサイボーグ関係のアイテムはロボットマン以外発売されませんでした。タカラの男子玩具はミクロマンにバトンタッチしていたわけですが、したがって変身セット、超人セット、ワルダー等の塗装を必要とするアイテムは、次々と生産終了。ミクロマンはインジェクションとプラ中心なので、塗装の方々の手は使わない。
実際ブルマァクのソフビも一時終息期を迎えています(アクマイザーのソフビは足にタカトクとブルマアクの2社の刻印がされている)。時代の推移と言えるかもしれません)。
 この流れが、当時社会が行っていた「玩具に使用される塗料の有害性」を問題視するキャンペーンによるものなのかは不明。
 チャコールカラーを吹かれていたジャグラの顔も実験的ですが・・・このZも実験的な要素を持っています。足首です。


 
 で、これが問題の足首なのですが・・・この赤色はどうも、表面から塗装されているというよりも、(つま先から足の甲やかかとにグラデーションが残っている)注型段階で爪だけが赤くされているようなんですよね。これを見て思い出したのが、浪曼堂のクリアーグリッターのM164サミーです。あれとどうも同発想を樹脂パーツの注型実験したような雰囲気。
 どう考えても当時としては斬新な技術だと思います。で、多分その技術実験を足首パーツでやったがゆえに、胸の口や側頭部が赤く塗られたこのアイテムが出来たんじゃないか、と。

 胸部はペイントマーカーかもしれないし、違うかもしれないんですが・・・近場の模型店の人によると、ペイントマーカーの起源はかなり古く、例えばふちどりペンが流行ったのは80年代の頭ですが、70年代後半の時点で既に普通のカラーペンと同様に基本色が販売されていたようです(メーカーはぺんてるやさくらやユニ等。タミヤも80年代のガンプラブーム期にペイントマーカーを出している)。もしかすると、元々ペイントマーカーって、業務用の物だったかもしれないわけですね。
 例えば1号ブルーのメカにスプレーされているクリアブルーはタミヤカラーのエナメルが一番近い色なのですが、ペイントマーカーもエナメル塗料だそうです。(旧1号ブルーは、電子頭脳は触ってもそんなに色落ちしないんだけど、胴体内のメカは一気に色落ちするので注意。塗ってる個所によって塗料の質が違うようです。全部が全部ではないですが)
 この謎は当時の日本のタカラ工場で塗装してた人に聞けないと、判明しないかもしれないですね・・・; 塗料に相当詳しい方じゃないかと思う。
 そういえば現Mr.カラーの前身「レベルカラー」は、タカラが取り扱ってたっけ・・・


 
 という事で、前に入手したJ(胴体は前期型)と並べて撮ってみました。
 随分腰がぶらぶらになってしまった。実は最近ゴムが切れてしまいました・・・
 こうしてみると、何でJは顔だけなのに、Zは全身にしたのか?ってのもあるけど、アンドロイドの場合も、超人は全身メッキなしなのに、ロボットはハンマー塗装のみの差別化だったりしますからね。
 
 一応書くと、購入したもう一つの理由は、売っていたヤフオクのディーラーさんが、おもちゃ屋さんのうぶだしで出たという、全身成型色が黒のミクロナイトを売っていたからでした。・・・頭部が黒のミクロナイトで、胸がポリスキーパー、腰から下がコマンド3号。そんでもって持ってる盾は、3の超人みたいに無垢の白プラ。すごくカッコよかったです。でも「変」ですよね。
 多分それも展示用アイテムだったのかなぁと思うのですが、かなり高額になって気づいた時には売れてしまった後でした。残念!!

 そんなこんなで・・・。つまりこのアイテムは、完全な状態かもしれないけど、胸だけはカスタムかもしれなくて、頭部も後塗りかもしれなくて、後塗りだとしても、どこからどこまでが後塗りだか判らない、っていう、そういう 変 な アイテムだったりするのです。
 で、自分にも箱乃至展示物を見ながら(そう、この足首、見覚え有ります。きれいだなぁ・・・と思いながら子供の頃ショーケースを眺めてた!)、「変だ!」と思った事を覚えてます。
 多分頭部が単にクリアブルーで、胸が口だけしか塗られてなかったなら、「かっこいい」と思ったとしても「変だ!」とは思わなかったと思う。どうなんでしょう?(w;
 どこかからまたこれと同じようなアイテムが出てきて、それと比較できたら、正確にどういうアイテムなのかが判ると思うんですが・・・難しいかなぁ(v v);

 タイトルの「強化実験体」ってのは、見るからに塗装実験されたような感じだから(笑)。  実際当時のロボットマンのリーフレットでは、アクロイヤーと結託した宇宙人たちのイラストも描かれているので、アクロイヤーの悪の科学力が投入されてるのかもしれないです。

 でも、・・・めっちゃカッコいいよね?自分は好きです、この宇宙人。
 

(2005.9.24)


※※※ その後、2024年の後日話 ※※※
◎ 2024年の2月になって、某出品者さんの https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b1125415430
の出品物に、ボクのゾーンと似た塗装のジャグラが出品されていました。自分は落札できませんでしたが、
これで、ゾーン、ジャグラ、ゼロスともに、顔塗り版が確認された事になります。
というか、ゼロスの顔塗りは簡易なのと凝ったのと、二種類確認されていて、
簡易版は昔東京おもちゃショーで展示、その時はボディは塗られてなかったので、
つまり宇宙人の顔塗り、ボディ塗りにも、各2種類以上はパターンがある可能性大です。
(2024_3/12)
 
 
 

 



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